yasudacloudの日記

札幌に住むソフトウェアエンジニア

「エンジニアリングマネージャーのしごと」を読んだ

つい先日買ったこちらの本、結構良かったのでご紹介です。

積読しがちな人は積読があっても気になった本は買うという不思議な性質があります♪( ´θ`)ノ

対象読者

本ではマネージャーになりたての人や目指している人を想定しているようですが、エンジニア職なら誰が読んでもためになる本だと感じました。何故かというとマネージャー、マネージャーの上司、マネージャーの部下といった登場人物がシナリオに出てくるのでそれぞれの観点で考えることができるからです。

本の要所

特に部下と上司とのコミュニケーションについて重きを置いて書かれている印象があります。中でも仕事の委譲、1on1、採用について具体的な手法が書かれていてとても勉強になります。これまで頭の中で「こういうのは良くないな」とか「もっとこうした方がいいか?」とぼんやり思っていたことが丁寧に言語化されていて思考を整理することができます。

この辺りは自分に論じるだけの技量・経験がないので、とにかく読んでみてほしいとしか言えません。。

気になった章

ページ数は結構少なめですが、8章 ゲームオーバー に書かれている退職やPIP(業績改善計画)がなかなか興味深い話でした。

日本企業で解雇をするケースは少ないと思いますが、単に解雇するのではなく業務改善することを目標に話を進めるという点でPIPはシステム開発の会社にも取り入れる価値のあるフローだと感じました。

ちなみに私がこれまで勤めた会社では一度も聞いたことないですが、自分が無知だっただけ・・?🤔

個人的に思うところ

悪い退職理由を避ける手段なんてあるんだろうか?という率直な疑問です。本に例として挙げている給与に不満を持っているとかプロジェクトについての不満は上司に話すこと自体がマイナスになるケースがあるためです。

不満(ネガティブな話)が伝言ゲームのようにどんどん上にいくのはよくある話ですが、本意ではないことや少し違ったニュアンスで伝わるのは本人にとってマイナスでしかないので当事者からすると率直に話すことはリスクが高いことです。

そして退職の意向を伝えてからポジションの変更や給与の見直しといった話があっても承諾するべきではない、と思っています。辞めることを伝えてから変わる待遇というのは一時的なものかもしれませんし、他の人から優遇されてるとやっかまれる可能性があります。そして一度退職の意思を伝えると関係性が悪くなることもあります。人間同士なのでこればかりはどうしようもないことだと思います。何より退職を取り消してしまうと次に別の理由で退職を伝える時がとてもしんどいです。

自分はこれまで一度だけ退職を撤回したことがありました。理由は給料が安く、仕事の内容に不満があったためです。この先もずっと同じ案件の保守しか出来ないと思ったのと、”プログラマー”職にも関わらず業務委託で会社が受けているコールセンター業務(受信)をたまに手伝わされていました。

退職の意向を伝えると別の仕事ができるようにと提案があり、給与は仕事を続けていけば上がるからとのことでした。説得してくれた方の人柄が良かったので一度撤回しましたが、それから2〜3ヶ月後にやはり退職を決意しました。結構気まずくて周りにも申し訳ない気持ちでいっぱいだった苦い思い出です😅

何が言いたいかというと、どんなネガティブな理由であっても周りが退職を回避させることはできないので部下の退職をマネージャーが気に病む必要はないんじゃないですか!ということです。そもそもそんな気遣いを出来るマネージャーであれば、その人が原因で辞めるってことは少なくともないはずです。むしろ自分でどうにか出来たと思うことの方が傲慢さを感じてしまいます。

まとめ

マネジメント系の本をあまり読んだことがなかったせいか、ためになるな〜と感じることが多かったです。ヒューマンスキルは一朝一夕で身に付くものではないので、もっと磨きをかけたいと思った時に"お手本"につい縋りたくものですね。

本の具体的な内容は記載できない(しない)ポリシーなので、気になった方は是非買ってみてください。