yasudacloudの日記

札幌に住むソフトウェアエンジニア

Xserver Staticレビュー

たまたま目に入った記事

static.xserver.ne.jp

このたび弊社では、『Xserver Static』の提供を開始しました。

『Xserver Static』は、
静的コンテンツの運営に特化したクラウドホスティングサービスです。

国内シェアNo.1(※)のレンタルサーバーサービス
『エックスサーバー』で培ったノウハウを活かし、
高速かつ安全性に優れたサーバー環境を無料で提供します。

近年では静的コンテンツの配信ができるサービスはAWS/GCP/Azure始めCloudFlare、Vercel、Netlifyなど沢山ありますが、なんと無料と記載が( ゚д゚)

無料と言われると気になってしまう性分なので簡単にレビューしていきます。

登録〜申し込み完了まで

先ほどのリリースページの"お申し込み"ボタンから登録画面に遷移します。名前やら住所やら個人情報一式を入力し、完了のメールがくるまで待つだけです。

クラウドのよくあるサービスだとこのタイミングでクレジットカードの登録を求められますが、無料と謳っていることもありクレカは必要ありませんでした。さすがです。

申し込みから実際に使えるようになるまでちょうど50分ほど待ちました。大手ホスティングサービスに慣れていると遅いと感じる人もいるかもしれませんが、国内レンタルサーバーとかは設定完了にこのくらいかかることはまあ普通ですね。

管理画面

一部マスクしてますが管理画面はこんな感じ。

左のメニューが少し寂しい感じがありますが、出来立てのサービスなのできっと今後増えるはず・・!

独自ドメイン設定

初期設定的な感じでデフォルトドメインが割り振られてますが、せっかくなので既に持っている外部の独自ドメインを設定してみます。サーバー設定ボタンからサーバー設定画面に遷移します。項目にネームサーバ1〜3まであるのでNSレコードを追加。

自分の場合はAWS Route53でyasuda.cloudを管理しているので、適当なサブドメstatic.yasuda.cloudを設定します。

レコード追加後、反映まで待機。

しばらくするとサーバー設定→現在のURL→他社で取得しているドメインを利用するから自分のドメインを登録。そしてまた待機・・。

上記の手順で独自ドメインからデフォルトのindex.htmlが表示されることを確認、SSL設定よりhttps化も簡単にできました。

static.yasuda.cloud

動作確認

サービスの具体的な仕様が見当たらないので色々触ってみました。

まず、.htaccessがデフォでありましたがPHP、CGIは動きませんでした。

次にBasic認証については認証のプロンプトは出ましたが、正しく動作しませんでした。これはおそらく、絶対パスが分からないため.htpasswdを相対パスで指定してるため動いていない気がします。加えてドキュメントルートを変更できないみたいなので、.htpasswdをドキュメントルート以下に配置するしかないのでBasic認証はセキュリティ的に望ましくないと思います。

キャッシュはmax-age=604800、7日に設定されていました。画像、CSS、JavaScriptいずれも同じ設定でした。

ただ、こちらの設定は下記のように上書きできました。このあたりWebで設定できると嬉しいところです。

<IfModule mod_headers.c>
    <FilesMatch "\.(jpg|jpeg|png|gif)$">
        Header set Cache-Control "max-age=86400, public"
    </FilesMatch>

    <FilesMatch "\.(css|js)$">
        Header set Cache-Control "max-age=3600, public"
    </FilesMatch>
</IfModule>

まとめ

気になった点が幾つか。

まずディスク容量が上限1GBとなっており後から増やす仕組みがないことが気になります。ReactやAngularのようにJSが多くなりがちなプロジェクトでもビルド後のJSが1GBに達することはほぼありません。ただし画像や動画を多く扱うケースに弱く、それらはインフラ選定時点で必要なストレージ容量を把握できないことも多いと思います。

次にデプロイ方法がWebから手動アップロードかFTPの2通りありますが、昨今のシステム開発だとCI/CDが当たり前になりつつあるので用途が絞られます。あとはCDNではないことが一つポイントですかね。

公式にあるようにランディングページ、テストサーバーの用途としては良さそうです。が、デプロイとかCDN、Lambda EdgeのようなFaaSがない点からモダンなフロントエンドでの採用は少し難しいと感じました。

フロントエンドWebアプリやサイトジェネレーターで
作成した静的コンテンツのデプロイ先

ランディングページの公開先や
テストサーバーとして動作確認の利用

出来立てのサービスなので今後に期待です( ´Д`)y━・~~